2014年6月18日水曜日

今日、アメリカ対ガーナ戦を観ました。白熱した素晴らしい試合でしたし、私達サッカーに関わる人間にはとても学習機会が多い内容でした。

先日のコートジボワール、そして今回のガーナもとても組織的かつ献身的なディフェンスを構築しており、一昔前のアフリカ特有の個人能力を全面に押し出した爆発力はあるが、非効率なサッカーは全く見る影もなく、とても進歩している様子がうかがえます。アフリカにおけるサッカーの価値観が変化しているのではないでしょうか。サッカーはその国の経済状況を反映するスポーツです。最近のアフリカの著しい経済成長と何かしら関係があるのでしょうね。

ところで私はこのブログで組織的なディフェンスや攻撃時のポジション変化という言葉を多く使います。少し分かりづらいかと思いますので、良い機会ですので簡単に説明します。

まず守備において重要な事は目の前の相手に負けない事。ドリブルしてくる選手に抜かれない事です。しかしいくら一対一の守備が強くても、世の中には上には上がいるので出来るだけ一人で対応するのではなく、複数人で対応します。日本代表を例にしますと、左サイドで長友選手に向かって相手がドリブルしてきた際に、長友選手だけではなく、香川選手や吉田選手も長友選手を助けます。この時にあらかじめ味方の選手を助ける位置にいる事だけでなく、自分がマークする選手にも対応できる位置にいる事が鉄則になります。
スタジアムで観ると分かりやすいのですが、例えばテレビで見ている時に相手チームがグランドの中央あたりでボールを保持している時にそれを視野に入れつつ、画面端の方の相手ディフェンダー達も見てください。彼らはきちんと等間隔で体の向きも同じように一直線に並んでいるのが見えます。これは自分の周りに相手が来た際に、また味方のサポートにもすぐに行ける位置にいるのです。
この時に彼らはボール保持者を見つつ、自分のマークする選手も見て、味方のポジションも見て、走りこんで来そうな選手も見て、自分のポジションを細かく修正しています。飛び込んでくる相手を網を張って捕まえるイメージですね。

このディフェンスのやり方をゾーンディフェンスと言いますが、これを有効にするのは前線からの守備になります。大まかに言うと味方のフォワードや中盤の選手が相手ボール保持者に厳しくディフェンスに行く事により、相手ボール保持者のパスの正確性を下げる事でボールを奪いやすくします。いくら完璧なゾーンディフェンスを行っても、相手に良い状態でボールを保持されたら難しい状況に陥ってしまいます。
今のサッカーはできるだけ相手ゴール近くでボールを奪うという流れになっています。一昔前のようにフォワードは守備をしなくて良いという事はなく、全員守備でまた全員攻撃がスタンダードになっています。もちろんマラドーナ選手のような一人だけで点を獲れるという選手がいれば別ですが、そのような選手は100年に一度誕生するような確率でしょう。

ちなみに日本代表は長友、吉田、森重、内田選手が一直線に並び、その少し前に長谷部選手と山口選手が並行して並んでいます。この二つのラインが崩れた時にピンチなりますので、試合を観る際にはこの二つのラインにも注目してください。

2014年6月15日日曜日

うーん、日本代表は残念でした。

それにしてもコートジボワールは良いチームですね。アフリカのチームというと、卓越した個人の力を全面に押し出した戦い方というイメージがあるのですが、守備も攻撃も組織力を重視した戦術で、それゆえに個人の力が充分に発揮されるという、日本が目指さなくてはいけない戦術を貫きました。
確かにドログバは凄かったですが、MFとDFで組織する守備ブロックはとても強固なゾーンディフェンスで、日本代表が付け入るスペースは全く無かったですね。

このようなチームを相手にするには、縦横無尽にポジションチェンジを繰り返し、味方のスペースを作り出さなくてはいけません。愚直にフリーランニングを繰り返し、相手のマークを引きつけ、空いたスペースに後ろからリスクを覚悟でどんどん飛び出していかなくてこの守備ブロックは崩せないでしょう。

前半は大迫選手が1トップで体を張ってがんばっていましたが、いかんせん運動量が足りない。もっと動いて香川、岡崎選手のスペースを作らないと厳しい。しかしそれもしょうがないところがある。大迫選手のすぐ後ろにいる本田選手が足もとばかりにパスをほしがるので、前線の流動性がどうしても下がってしまうのです。
しかし本田選手もリスペクトしているような大久保選手が入ってからは、少し好転しましたね。監督やチームメイトの指示よりも自分の直感で行動する大久保選手は、スペースを作る為に自ら動き出し、それにつられて本田選手や香川選手の動きも活発になってきました。

このような展開を試合開始から続けないと、このレベルで勝つのは難しいでしょう。しかしやり続ければ勝てる事は証明できています。何度も例に出して申し訳ないですが、なでしこのサッカーがそれを証明しています。

とにかく次のギリシャ戦に負ければ終了です。私はまだ日本代表が結果を残せるとは思っていません。それより組織的で流動的な日本のサッカーを世界に示してもらいたいです。なでしこの活躍で、フットボールネーションズでは日本の評価はとても高まっています。この大会でも強烈な印象を残してほしいですね。

ちょっと変なテンションになってますゆえ、乱筆ご容赦あれ。

2014年6月11日水曜日

そういえばワールドカップは今週開幕なのですね。

まだ先かと思ってましたので、ちょっとびっくり。慌ててTV放送を調べた次第です。

日本代表の試合は以下。

6/15(日)10:00~ NHK総合 コートジボワール 対 日本代表

6/20(金)07:00~ 日本テレビ系列 日本代表 対 ギリシャ
             NHK BS

6/25(水)05:00~ テレビ朝日系列 日本代表 対 コロンビア


大会全体の放送スケジュールは以下を参照ください。
http://tv.yahoo.co.jp/tv_show/worldcup2014/#tv_wrap

何はともあれ初戦がとても大事。この結果でほぼ予選リーグの結果が決まると言われています。
相手は全て格上。さてさてどんな試合が見られるか・・・。

2014年6月8日日曜日

テレビを見るとワールドカップが近づいてきた事を実感します。これからもっと盛り上がってくるでしょうし、始まったら寝不足の日々になるのでしょうね。子供達と接していると日本代表の存在の大きさが分かります。彼らの一挙手一投足の影響力は計り知れないですね。

かくいう私も子供の頃は影響を受けました。まだプロリーグはありませんでしたが、将来は海外でプロサッカー選手になる事を夢見て日々励んでいた一人です。周りには同じようにサッカーで食べていく事を夢を見た数多くの仲間がいました。私はその夢を叶える事はできませんでしたが、幸運にもサッカーで得た経験を基に、ビジネスではそれなりに上手く行き家族を養える程度の生活はできています。しかしながら、同じ夢を追った友人達は未だに日々を暮らす生活を送っている者も少なくありません。友人だけでなく、一つの事(スポーツ)だけを追い続けてしまった結果、気付いたら他の選択肢が無く、余裕のない仕事を続けている元スポーツ選手が多いのが現状です。

サッカーなどスポーツだけでなく、一つの事を追い求めてるリスクはあります。そのリスクを背負うからこそ成功した時の報酬や名誉は莫大なものになるのでしょう。しかし失敗した時のダメージは本人達は気付いていないかもしれませんが、計り知れないものがあります。そうならないように、子供達に対しサッカーだけでなく勉強もしっかりやりなさい、常に選択肢を持ちなさいと指導しています。

子供達には上記の指導を徹底する事により、これ以上増やさない事が出来たとしても、今いる彼らの受け皿を作りたいと以前から考えています。コーチ業の収入だけでは食べていく事が難しいので、指導者になりたくても生活の為にできない人が多いのです。

その受け皿を具現化するにはどうしたら良いのか?自分でビジネスを興し彼らを雇うのも一つですし、コーチ業と両立できる仕事を探しすのも一つ。大事なのは彼らのライフプランを考慮する事。
最近はそちらの活動で時間を割いてしまいましたが、あまり進歩せず。一人で考えるのも限界がありますので、何かしらアイデアがありましたらお聞かせいただきたく。

2014年6月7日土曜日

テストマッチ 日本対ザンビア

良くないですね。身体能力にハンデを持つ日本が世界で戦うためには、攻撃も守備も数的優位を作り出す事だと思います。その為には攻撃から守備の切り替えの際に一息付くことなくもっと早く行動しないといけないし、味方がプレーできるスペースを作り出すためにもっと効率的な(よく言われる)無駄走りをしなければなりません。
最初の失点シーンの本田選手が行ったアリバイ守備。「俺は守備してるよ」という見せかけの守備ではダメ。常に先を読み、厳しく、絶対にボールを奪うという意思を持って守備をしなければいけません。あの場面であのような守備をすると、まわりも彼が抜かれるのが分かるので、当然動く事ができず、主導権は相手プレーヤーに握られてしまいます。あのシーンは相手にボールが渡る前に、その事を予知して厳しくプレッシャーを掛け、相手がボールキープしかできないようにして、複数人でボールを奪うようにしなくてはいけませんね。
またFWの柿谷選手も前半の低迷した原因の一つです。彼が動かない事により、岡崎、香川選手が動くスペースを消してしまい、とても窮屈な戦いになってしまいました。とにかく本田選手と柿谷選手はチームのためにもっともっと走らないと。

前回のワールドカップの前は結果こそ出ませんでしたが、数的優位を作り出す守備や攻撃時のスペースの活用が、親善試合を行う度に発展して本番への期待が高まりました。

日本代表のお手本はなでしこジャパンだと思っています。彼女たちが繰り広げるチャレンジ&サポートは、日本が世界で戦う成功例です。彼らは澤選手のプレーをビデオで観て、イメージを膨らませる事が必要です。

初戦までもうあまり時間がありません。守備の国イタリアから来たザッケローニ監督の修正力に期待しましょう。