2016年3月1日火曜日

サッカーに必要な要素、六年生の今後について

サッカーに同じシチュエーションはありません。ボールを奪った瞬間に、近くの相手の位置、味方の位置、奪った位置(自分のゴール前、中盤ポジション、相手ゴール近く)、点差(勝っている状況か、負けている状況か、引き分けの状況か)等々、細かい違いがたくさんあります。

選手はこれらの状況を鑑みて、ボールを奪う前から奪った後にどのようにプレーするのか?どうすればゴールできるのか?を瞬間的に想定し、パスをするのか、ドリブルをするのかを決め、その選択に基づき体の向きや重心の置き所を考えて次のプレーを決定します。

このようにサッカーは試合の刻々と変化する試合の流れを事前に想定し、ボールを奪った瞬間から自主的にアクションをおこす必要があり、それができないと後手後手の対応となり、常に相手の背中を追ってばかりの試合になってしまいます。

大切なのは試合の流れからあらゆる仮設を考える想像力、ボールを奪った瞬間に次の動作を決める決定力、選択したプレーを実現させる技術。中でも一番大事なのは自らプレーを選択し、自主的に決める強い意志と行動力です。
相手が右にドリブルしたから着いていくのではなく、自ら相手を右に追い込みボールを奪う。相手が右から来たから左にかわしてドリブルするのではなく、相手が右から来るようにボールを保持して来たところを左にかわしてドリブルする。このように見た目は同じようなプレーでも自主的に判断してアクションをおこし続ける事により、相手より有利にプレーすることができます。

不思議な事に自主的にプレーしたほうが良いプレーができます。

さて先日の大会で六年生の試合は終了となります。この大会で上位となったチームの試合も見ましたが、中学生とも渡り合えるような強靭なフィジカルを差し引いてみると、技術的にも戦術的にもそれほど差はありません(これは参加したチーム全てに言えます)。またうちの六年生たちが昨年秋から技術が飛躍的に伸びたという事でもなく、しかし以前とは見違えるような試合ができたのは、自主的にプレーするというこれまでの大きな課題が改善された事で大きな要因です。

FWのみきや、たいが君は、ボールが来たからドリブルするのではなく、自らパスを呼び込みドリブルをし、相手に囲まれドリブルもパスも出来ないからその場でキープするのではなく、味方が相手ゴール前まで上がってくる時間を稼ぐべくボールをキープするプレーが随所に見られました。あつし君はこれまでのボールが来たからとにかくシュートをするプレーから、常にゴールを意識したプレーにより見事なゴールを決めました。
中盤ではこうき君(関)が相手を追うだけのプレーではなく、相手のパスを予測し自らポジションを修正し、インターセプトを何回も成功させ、DFのたくみ、ゆうり君は、ボールを奪った瞬間に味方が見えたからパスするのではなく、次の次のプレーを想定してパスをする相手を選択するまでになり、チャンスには積極的に相手ゴール前まで攻め込む事ができました。
GKの銀ちゃんはまだまだ当たり外れがありますが積極的に声を出す回数が増えてます。彼に関しては技術的な話しですが、キックの質がとてつもなく上昇しています。キャッチやポジショニングは物足りないですが、キックに正確性に関しては末恐ろしいですね。

このようにこれまでのような相手に合わせて後手後手になる機会が減り、自主的なプレーで相手より先にプレーできる機会が多かった事が試合の質を向上させた要因です。しかしまだまだ足りない。彼らのポテンシャルを考えるともっともっと出来るはず。またフィジカルも物足りません。中学生になり成長期で筋力が向上して相手とぶつかってもバランスを崩さない力強さが付けばより良くなるはずです。

今後の彼らのポイントは自主性とフィジカル。彼らのプレーを見る機会はあまり無いですが、見たときにはこの二つのポイントが向上しているかをチェックします。技術はOK、でもそれは自主的にプレーした時でないと活かせません。


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